優れた俳句をデジタルデータとして保存し、後世に残すために俳句データベースを開発しています。

俳人の説明

管理人による説明

明治から昭和にかけて活躍した俳人。高浜虚子に師事し、江戸趣味と主観性を重んじる繊細で唯美的な作風で知られ、雑誌「曲水」を主宰した。

生涯

渡辺水巴(わたなべすいは)は1882年(明治15年)6月16日、東京府東京市浅草区浅草小島町(現在の東京都台東区小島)に生まれた。本名は渡辺義(よし)。父は近代日本画家の渡辺省亭(せいてい)で、裕福な家庭の中で悠悠自適の少年時代を送った。育英小学校を卒業後、1899年に日本中学(現在の日本学園中学校・高等学校)第三学年修業後に退学した。

1900年、19歳の時に俳句で身を立てることを志し、翌1901年に内藤鳴雪(ないとうめいせつ)を訪れて門下生となった。以後、終生俳句以外に職を求めることはなかった。また2歳年下の妹つゆも俳人であり、生涯にわたって水巴の身の回りの世話を続けた。水巴が妻を迎え子どもが生まれてからも、つゆは彼を支え続けたという。

1918年には経済的・精神的な柱であった父が死去し、水巴の作風にも変化が訪れた。1922年に片桐花子と結婚したが、1923年の関東大震災で罹災し、一時大阪の豊中に住んだ。1929年には長谷川きく(桂子)と再婚した。1942年には日本文学報国会俳句部会常任理事を務めた。1945年、強制疎開により藤沢市鵠村(くげむら)に移り、1946年(昭和21年)8月13日に同地で没した。享年65であった。妹つゆは水巴より早く、1941年に亡くなっている。

俳句歴

水巴は1900年に俳句で身を立てることを決意し、翌年内藤鳴雪の門下生となった。1906年には高浜虚子に師事し、本格的な俳句活動を開始した。千鳥吟社より「俳諧草紙」を創刊したが、1909年に「文庫」に合併された。1913年には曲水社を設立し、翌1914年には「ホトトギス」雑詠欄の代選を務めた。1915年には水巴選による『虚子句集』を刊行している。

1916年、主宰誌「曲水」を創刊し、没年まで主宰を続けた。これは「ホトトギス」からののれん分けの第一号である。明治末に読者数が最盛期の三分の一まで減少していた「ホトトギス」を立て直すため、虚子は雑詠選を復活させたが、この雑詠欄で頭角を現したのが水巴であった。虚子の期待を受けて雑詠選の代選を務めたが、主観句尊重の選句方針を貫いたため、投句が減少し有力俳人の出句もなくなるなど、かなりの抵抗にあったという。

1913年、「ホトトギス」誌上に「主観句に就いて」という俳論を発表し、「作者の主観は尊重されねばならぬ」と自己の信念を力強く述べた。虚子は戦略的見地から主観的傾向の強い新人の発掘に努めたが、水巴の主観俳句は作家としての内発的なものであり、状況が変わっても容易に変えられるものではなかった。虚子が大正末にかけて客観写生を唱えるようになると、水巴と虚子の道は分岐せざるを得なくなった。

村上鬼城や飯田蛇笏などとともに大正初期の「ホトトギス」中興を支えた俳人の一人であり、江戸趣味を湛えつつ繊細で唯美的な作風であった。虚子は『進むべき俳句の道』において「無情のものを有情にみる」ことを水巴の特徴として挙げたが、父の死後にはさらに人間的な陰影と厚みが加わったとされる。

その他の特記事項

水巴は生粋の江戸っ子気質を強く持ち、日本画家を父に持つ環境で育ったことから、都会人の洗練された生活感で季題を捉える作風を確立した。食事に関しては味付けから温度、盛り付けに至るまで細かいこだわりがあったと伝えられる。終戦後の1946年、物資が不足する中で「菓子欲しけれどなし、句に作る」という前書きとともに葛桜を詠んだ句は、思い出の菓子を描いて甘いものを食べたい気持ちを慰めたものと推察される。

主な著作に『水巴句集』(1915年)、『水巴句帖』(1922年)、『白日』(1936年)、『富士』(1943年)、『新月』(1947年)などがある。没後の1956年には『水巴句集』が、1984年には『水巴文集』(上下)が刊行されている。

claude sonnet 4.5 による自動生成です。

参考にさせていただいたWebサイト様
渡辺水巴 -- Wikipedia かたまつて薄き光の水巴かな -- 俳人目安帖(ジャパンナレッジ) 渡辺水巴と葛桜 -- 歴史上の人物と和菓子(虎屋グループ)

参考にさせていただいたWebサイトの制作者様、誠にありがとうございます。貴サイトの貴重な情報により本データベースの充実を図ることができました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。

バイオ

性別男性
本名義(よし)
生没1882 〜 1946
出身地東京都台東区小島
出身地(旧地名)東京府東京市浅草区浅草小島町

基準
向き
件数

現在、69句の俳句が登録されています。

    • 筍 たけのこ
      季節: 夏(初夏) 分類: 植物(イネ目)
    • 文藝春秋 最新俳句歳時記 夏
      p.221