松藤夏山 (まつふじ かざん)
俳人の説明
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生涯と俳句歴
松藤夏山は明治23年に生まれた。大正5年ごろに俳句を始め、昭和7年に「ホトトギス」同人となった。虚子提唱の花鳥諷詠の忠実な使徒として活動し、虚子が携わった歳時記の編集にあたり手足となって働いた。改造社版『俳諧歳時記 春之部』の解説に当たった33名の中に夏山の名も記されている。
昭和11年、45歳で病により亡くなった。『夏山句集』は著者32歳から病没する45歳までの13年間の588句を収録したもので、作者の死後、俳友たちの手によって虚子選の句をまとめるかたちで虚子の序文を得て上梓された。虚子は序文で「最も忠実な俳学徒であって、しかも最も忠実な私の所謂花鳥諷詠の信奉者であった」と追悼し、弔句として「この寒さにくみもせずに逝かれけん」を詠んだ。
その他の特記事項
富安風生は『夏山句集』の序文で「君は命がけで俳句を作つた。俳句は君にとつては、決して趣味や道楽ではなかつた。句会に出ても、制限の句数だけはとにかく耳を揃へるなどといふ遊戯的なやり方は、絶対に君の採らざるところであつた。苟も君が発表するほどのものは、悉く君の肺腑から絞られる、生き血の垂れるやうなもののみであつたといつていい」と評している。
また富安は夏山の人柄について「寡黙ではあつたけれども、その頬辺には、いつも柔かく温かい微笑をたたへてゐた」と記している。夏山の句は一読、派手さからは遠く静かな句ばかりであるが、読み込むほどにじわじわと沁みてくる作品である。何物もをいとおしむような包容力、十七音の中のたっぷりとした間、衒いのない言葉遣いが特徴とされる。
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- あたたかや おばけがでたる かみしばい
-
暖か
あたたか
季節: 春(三春) 分類: 時候(感覚) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.120
- たねかがし あかきぼうしを いただかせ
-
種案山子
たねかがし
季節: 春(晩春) 分類: 人事(労働) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.232
- みずあかの のりたるいしに になすめり
-
蜷
にな
季節: 春(三春) 分類: 動物(貝類) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.109
- かえりきて ひるにははやし くこをつむ
-
枸杞
くこ
季節: 春(仲春) 分類: 植物(ナス目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.172
- ほおずきいち まれにいろずき いるがあり
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鬼灯市
ほおずきいち
季節: 夏(晩夏) 分類: 人事(行事) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.395
- くさのとに かいもどりたる ねござかな
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寝茣蓙
ねござ
季節: 夏(三夏) 分類: 人事(生活) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.390
- しらなみの はしるがみゆれ よししょうじ
-
葭障子
よししょうじ
季節: 夏(三夏) 分類: 人事(生活) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.379
- はえたたき いっぽんもって やみにけり
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蠅叩
はえたたき
季節: 夏(三夏) 分類: 人事(生活) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.342
- てんぐさとり いとこおすえと もぐりけり
-
天草取
てんぐさとり
季節: 夏(三夏) 分類: 人事(労働) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.449
- まめがらを さしくべながら きゅうりもみ
-
胡瓜もみ
きゅうりもみ
季節: 夏(晩夏) 分類: 人事(労働) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.420
- ひはねる みずきょうげんの みずのさき
-
水狂言
みずきょうげん
季節: 夏(晩夏) 分類: 人事(芸術) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.416
- ほしいいや おなじうじなる ひとぶらく
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干飯
ほしいい
季節: 夏(晩夏) 分類: 人事(飲食) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.425
- におのすの さわりしゆびに みずあがる
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浮巣
うきす
季節: 夏(三夏) 分類: 動物(鳥類) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.326
- とびうおの なみにとびつき しずみけり
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飛魚
とびうお
季節: 夏(三夏) 分類: 動物(魚類) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.284
- あるぷすの ぎんざどおりの みちおしえ
-
道をしへ
みちおしえ
季節: 夏(三夏) 分類: 動物(昆虫等) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.391
- いでそめし かをききすます しばしかな
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蚊
か
季節: 夏(三夏) 分類: 動物(昆虫等) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.347
- うじむしの ちぬまちぬまと いそぐかな
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蛆
うじ
季節: 夏(三夏) 分類: 動物(昆虫等) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.346
- あおあしに ゆうなみかくれ ゆきにけり
-
青蘆
あおあし
季節: 夏(三夏) 分類: 植物(イネ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.339
- ひおうぎに むすめゆかたの しずくかな
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射干
ひおうぎ
季節: 夏(晩夏) 分類: 植物(キジカクシ目 ) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.473
- おなじひの まいにちきたる かきのはな
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柿の花
かきのはな
季節: 夏(初夏) 分類: 植物(ツツジ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.294
- やみぬれば じゃがたらのはなも いとおしく
-
馬鈴薯の花
じゃがいものはな
季節: 夏(仲夏) 分類: 植物(ナス目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.364
- ぼうたんに しみじみふるる かぜありぬ
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牡丹
ぼたん
季節: 夏(初夏) 分類: 植物(ユキノシタ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.252
- しんわらや かきのおちばの すぐとまる
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新藁
しんわら
季節: 秋(晩秋) 分類: 人事(生活) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.629
- かくなれば ぬるるほかなし きのこがり
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茸狩
たけがり
季節: 秋(晩秋) 分類: 人事(労働) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.90
- うしろでを ときてはひろう おちぼかな
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落穂
おちぼ
季節: 秋(晩秋) 分類: 植物(イネ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.198
- ふゆざれや つぎはぎしたる むらのはし
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冬ざれ
ふゆざれ
季節: 冬(三冬) 分類: 時候(感覚) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.500
- かえわなを おうてすたすた いたちとり
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鼬罠
いたちわな
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(生活) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.708
- かりのやど いちばんどりの なきにけり
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狩の宿
かりのやど
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(生活) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.706
- しごまいの まちなかのたも いうえたる
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藺植う
いうう
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(労働) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.743
- むぎまくや じゅうじかさげし しまおんな
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麦蒔
むぎまき
季節: 冬(初冬) 分類: 人事(労働) -
平井照敏編 新歳時記 冬p.226
- いてどうふ こよいはつきに くもおおし
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氷豆腐
こおりどうふ
季節: 冬(晩冬) 分類: 人事(飲食) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.95
- したむいて いくつかあるや りゅうのたま
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龍の玉
りゅうのたま
季節: 冬(三冬) 分類: 植物(キジカクシ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.62
- にさんまい ふいごのうえの がじょうかな
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賀状
がじょう
季節: 新年(新年) 分類: 人事(行事) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.11
- ふうきれば あふれんとする かるたかな
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歌留多
かるた
季節: 新年(新年) 分類: 人事(娯楽) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.20
- ななくさや につかぬくさも うちまじり
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七種(人事)
ななくさ
季節: 新年(新年) 分類: 人事(飲食) -
平井照敏編 新歳時記 新年p.164