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俳人の説明

管理人による説明

明治から昭和にかけて活躍した俳人。高浜虚子に師事し、温和で平明な作風で知られた。逓信省に勤めながら俳誌「若葉」を主宰し、多くの俳人を育成した。

生涯

富安風生(とみやす ふうせい)は、明治18年(1885年)4月16日、愛知県八名郡金沢村(現在の豊川市金沢町辺り)に生まれた。本名は謙次。豊橋町立豊橋尋常中学時習館、第一高等学校を経て、東京帝国大学法科大学を卒業した。

卒業後は逓信省に入省し、官界でのキャリアを重ねた。明治45年(1912年)には平塚の杏雲堂で療養生活を送った。俳句を始めたのは遅く、大正7年(1918年)、34歳のときに福岡貯金支局長として赴任した際、吉岡禅寺洞の手引きを受けたことに始まる。翌年には福岡に来た高浜虚子に接し、「ホトトギス」に投句を開始した。

大正11年(1922年)には水原秋桜子らとともに東大俳句会の結成に関わった。昭和3年(1928年)、逓信省内の俳句雑誌「若葉」の選者となり、後にこれを主宰誌とした。昭和4年(1929年)には「ホトトギス」同人となった。昭和11年(1936年)、51歳のときに逓信次官の職を辞して官界を引退し、「句作三昧の生活」に入った。

戦後は電波監理委員会委員長を務め、昭和46年(1971年)に日本芸術院賞を受賞し、日本芸術院会員となった。昭和28年(1953年)8月からは山中湖の湖畔に落葉松荘と命名した山荘を構え、毎夏を過ごしながら山中湖村の青年俳人グループ「月の江会」の句会で選句、指導を行った。昭和54年(1979年)2月22日、動脈硬化症と肺炎により93歳で死去した。墓所は小平霊園にある。

俳句歴

風生が俳句を始めたのは34歳と遅かったが、大正8年(1919年)に高浜虚子に接してから本格的に俳句活動を開始した。昭和3年(1928年)には逓信省内の俳誌「若葉」の選者となり、後に主宰として岸風三楼、菖蒲あや、清崎敏郎、加倉井秋を、岡本眸らを育成した。また、同年に「ホトトギス」の僚誌「破魔弓」が「馬酔木」と改題された際には、水原秋桜子らとともに同人の一人であった。

風生の句風は、高浜虚子が第一句集『草の花』の序に寄せて「中正・温雅」「穏健・妥当な叙法」と評したように、温和で平明な作風であった。山本健吉は『現代俳句』において、風生の俳句を「どこまで行っても、余技としてたしなむ遊俳の感じがつきまとう」と評したが、一方で大輪靖弘は、厳選された言葉で的確に対象を描き出し、「わからせるための表現」を避けることでかえって意味の広がりを作っていると指摘している。

代表的な句に「みちのくの伊達の郡の春田かな」「まさをなる空よりしだれざくらかな」「よろこべばしきりに落つる木の実かな」などがある。昭和9年(1934年)には「何もかも知つてをるなり竈猫」という句を作り、「竈猫」という造語が虚子に認められて新季語として登録された。これは風生の季節感の鋭さを示す一例である。

風生は植物に詳しく、「植木屋の富安」の意で「植富」のあだ名で呼ばれた。師である虚子との信頼関係も厚く、虚子は昭和13年(1938年)にともに避暑に出かけた際の出来事をもとに「風生と死の話して涼しさよ」という句を作っている。

その他の特記事項

主な句集として『草の花』『十三夜』『松籟』『淡水魚』『霜晴』『春時雨』『野菊晴』『晩涼』『古稀春風』『傘寿以後』『米寿前』『冬うらら』『年の花』『走馬燈』などがある。また、俳論書『添刪本位俳句の作り方』『俳句の作り方味はひ方』『風生句話』『俳句読本』、随筆集『草木愛』『艸魚集』なども著した。

山中湖村の「文学の森公園」内には、風生を偲んで「風生庵」が設けられている。これは旧天野傳長宅を移築したもので、東京都豊島区池袋にあった風生の書斎の一部を再現し、風生に関連する収蔵品、褒章品、愛用品が展示されている。

風生は官僚としても俳人としても恵まれた生涯を送り、温厚な人柄と平明な作風で多くの人々に愛された。昭和54年に93歳で亡くなる直前まで俳句を作り続け、後進の指導にも熱心であった。

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参考にさせていただいたWebサイト様
富安風生の有名俳句20選 -- 俳句の教科書 富安風生 -- Wikipedia 富安風生 -- 文学者掃苔録

参考にさせていただいたWebサイトの制作者様、誠にありがとうございます。貴サイトの貴重な情報により本データベースの充実を図ることができました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。

バイオ

性別男性
本名謙次
生没1885 〜 1979

基準
向き
件数

現在、241句の俳句が登録されています。

    • 柏餅 かしわもち
      季節: 夏(初夏) 分類: 人事(飲食)
    • 虚子編 新歳時記 増訂版
      p.259