飯田蛇笏 (いいだ だこつ)
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生涯
飯田蛇笏(いいだ だこつ)は明治18年(1885年)4月26日、山梨県東八代郡五成村(現笛吹市境川町小黒坂)に飯田家の長男として生まれた。本名は武治(いいだ たけはる)、別号に山廬(さんろ)がある。飯田家は名字帯刀を許された旧家であり、大地主であった。幼少期から旧来の月並俳句に親しんだ。
明治31年(1898年)に山梨県尋常中学校に入学し、後に文学の世界に傾倒して森鷗外訳の『即興詩人』や松尾芭蕉、正岡子規の日本派俳句に親しんだ。明治36年(1903年)に中途退学して上京し、東京府小石川区原町の京北中学校5年に転入した。明治38年(1905年)には早稲田大学英文科に入学し、高田蝶衣らの早稲田吟社の句会に参加した。この年に高浜虚子主宰の『ホトトギス』に初めて俳句が掲載された。明治41年(1908年)8月には虚子が結成した俳句鍛錬会「俳諧散心」に最年少で参加したが、その直後に虚子が俳壇を退いたため、明治42年(1909年)に家からの命を受けて早稲田大学を中退し帰郷した。
帰郷後は家業の農業や養蚕に従事しながら句作を続け、明治44年(1911年)11月に結婚した。妻との間には5人の男児を儲けたが、次男は学業終了直後に病死し、長男と三男は戦死した。四男の龍太が家督を継いだ。大正元年(1912年)7月に虚子が『ホトトギス』に復帰すると投句を再開し、大正3年(1914年)から大正4年(1915年)には同誌で巻頭を複数回獲得し、名実ともに代表作家となった。昭和2年(1927年)には芥川龍之介が自殺し、蛇笏は追悼句を発表した。両者は生涯対面することはなかったが、書簡による交流があった。
太平洋戦争では長男が昭和19年(1944年)12月にレイテ島で戦死し、三男も昭和21年(1946年)5月に外蒙古での抑留中に死去した。戦後は『雲母』の刊行を再開し、各地での句会や俳句創作活動を続けた。昭和37年(1962年)10月3日、脳軟化症のため境川村の自宅で死去した。享年77。
俳句歴
蛇笏は大正2年(1913年)に地元新聞『山梨毎日新聞』紙上で「俳諧我観」を連載し、河東碧梧桐らの新傾向俳句を批判して伝統的俳句の立場から季題趣味と十七字韻の重要性を提唱した。大正4年(1915年)に愛知県で創刊された俳誌『キラヽ』の選者を担当し、大正6年(1917年)より主宰となって誌名を『雲母』に改称した。発行所は大正14年(1925年)に甲府市に移し、昭和5年(1930年)には境川村の自宅に移転した。
昭和7年(1932年)に処女句集『山廬集』を47歳で刊行し、少年時代から前年までの作品1775句を収録した。戦時下には『雲母』は頁数を減らし、昭和20年(1945年)4月号を最後に休刊したが、昭和21年(1946年)に刊行を再開した。『雲母』の編集には四男の龍太が助力し、蛇笏の没後に龍太が主宰を継承した。『雲母』は平成4年(1992年)8月に通巻900号で終刊した。
蛇笏は村上鬼城などとともに大正時代における『ホトトギス』隆盛期の代表作家として活躍し、山梨の山村で暮らしつつ格調の高い句を作った。代表句に「芋の露連山影を正しうす」「死病得て爪うつくしき火桶かな」「たましひのたとへば秋のほたるかな」「誰彼もあらず一天自尊の秋」などがある。
その他の特記事項
蛇笏の作品は山梨の山間で創作したものが大半であり、小説家を志望していたこともあって第一句集『山廬集』には小説的な発想をもつ句も多く含まれている。高浜虚子も『ホトトギス』連載の「進むべき俳句の道」において、小説的であることを蛇笏の第一の特徴として挙げた。山本健吉は蛇笏の句風について、発句としての格の高さと正しさという点において右に出るものは見当たらず、その句境を芭蕉の『猿蓑』調の現代における奪取というべき偉業として称えた。
蛇笏は大正後年に古俳句・古俳人の研究を行い、特に天保期に活躍した甲府市東下条町出身の成島一斎に注目した。一斎は蛇笏祖父の義弟にあたり、蛇笏は『雲母』に一斎に関する研究を発表し、昭和元年(1926年)11月には一斎の遺稿集『明丘舎句集』の編者となった。昭和38年(1963年)10月には門弟有志により甲府城二の丸に「芋の露連山影を正しうす」の句碑が建てられた。句碑は平成4年(1992年)5月に山梨県立文学館の所在する芸術の森公園内に移転された。生前に蛇笏は句碑の建立を拒んでいたため、これが蛇笏唯一の句碑である。
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- ころころと ころがるそまや たけのどく
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毒茸
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季節: 秋(晩秋) 分類: 植物(菌類) -
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角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.193
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草の香
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季節: 秋(初秋) 分類: 植物(総称) -
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黄落
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季節: 秋(晩秋) 分類: 植物(総称) -
増補版 いちばんわかりやすい 俳句歳時記p.309
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紅葉
もみじ
季節: 秋(晩秋) 分類: 植物(総称) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.566
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神無月
かんなづき
季節: 冬(初冬) 分類: 時候(暦) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.468
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小雪(二十四節気)
しょうせつ
季節: 冬(初冬) 分類: 時候(暦) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.218
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大晦日
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季節: 冬(仲冬) 分類: 時候(暦) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.25
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極月
ごくげつ
季節: 冬(仲冬) 分類: 時候(暦) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.23
- ふゆぬくく ちのいにかない みずうつる
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冬暖
ふゆあたたか
季節: 冬(三冬) 分類: 時候(感覚) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 冬p.19
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厳寒
げんかん
季節: 冬(晩冬) 分類: 時候(感覚) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.33
- ふゆつきの ふけかきこぼす あたまかな
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冬尽く
ふゆつく
季節: 冬(晩冬) 分類: 時候(感覚) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.313
- たをきって だいちまふゆの あたらしさ
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冬深し
ふゆふかし
季節: 冬(晩冬) 分類: 時候(感覚) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.311
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冬旱
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季節: 冬(三冬) 分類: 天文(天空) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.37
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寒波
かんぱ
季節: 冬(三冬) 分類: 天文(天空) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.38
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ならい
季節: 冬(三冬) 分類: 天文(風) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.41
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冬霞
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季節: 冬(三冬) 分類: 天文(水) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.35
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季節: 冬(三冬) 分類: 地理(山野) -
平井照敏編 新歳時記 冬p.30
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冬の浪
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季節: 冬(三冬) 分類: 地理(水辺) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.107
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冬の水
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季節: 冬(三冬) 分類: 地理(水辺) -
平凡社 俳句歳時記 冬p.127
- ひたひたと かんくのみずや くりやがめ
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寒の水
かんのみず
季節: 冬(晩冬) 分類: 地理(水辺) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.353
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凍瀧
いてたき
季節: 冬(晩冬) 分類: 地理(水辺) -
平凡社 俳句歳時記 冬p.136
- わがこえの のこれるみみや ふくはうち
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豆撒
まめまき
季節: 冬(晩冬) 分類: 人事(行事) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.140
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温石
おんじゃく
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(生活) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.160
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火桶
ひおけ
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(生活) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.107
- まちびとに まじりあるきぬ こよみうり
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暦売
こよみうり
季節: 冬(仲冬) 分類: 人事(労働) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.562
- なみだぐむ しなあえかなる ゆきめかな
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雪眼
ゆきめ
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(健康) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.371
- ゆきはれて わがふゆぼうの あおさかな
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冬帽
ふゆぼう
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(衣服) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.167
- さっこんの こころのなごむ どてらかな
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褞袍
どてら
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(衣服) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.74
- おおつぶの かんたまごおく ぼろのうえ
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寒卵
かんたまご
季節: 冬(晩冬) 分類: 人事(飲食) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.573
- じょやのかね いくたにこゆる ゆきのやみ
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除夜の鐘
じょやのかね
季節: 冬(仲冬) 分類: 宗教(仏教) -
平井照敏編 新歳時記 冬p.299
- とうせいき よはひとのかの うすれけり
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芭蕉忌
ばしょうき
季節: 冬(初冬) 分類: 宗教(忌日) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.478
- ちかまつき ひゃくめろうそく ともしけり
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近松忌
ちかまつき
季節: 冬(晩冬) 分類: 宗教(忌日) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.754
- しろたえの まりのごとくに かまどねこ
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竈猫
かまどねこ
季節: 冬(三冬) 分類: 動物(哺乳類) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.169
- こういんを ほずえにわする ふゆのもず
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冬の鵙
ふゆのもず
季節: 冬(三冬) 分類: 動物(鳥類) -
平凡社 俳句歳時記 冬p.436
- ひにふるう しばしのかげや とりつるむ
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鶏乳む
とりつるむ
季節: 冬(晩冬) 分類: 動物(鳥類) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.325
- むしたえて ふゆこうきなる ひのよわり
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冬の虫
ふゆのむし
季節: 冬(三冬) 分類: 動物(昆虫等) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.219
- かんらんの さびしきはなを つづけけり
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寒蘭
かんらん
季節: 冬(初冬) 分類: 植物(キジカクシ目) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.225
- きのうろの やぶこうじにも みのひとつ
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藪柑子
やぶこうじ
季節: 冬(晩冬) 分類: 植物(ツツジ目) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.77
- あるときはあめしょうしょうと ふゆいちご
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冬苺
ふゆいちご
季節: 冬(三冬) 分類: 植物(バラ目) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.87
- ねぎのかに ゆうひのしずむ ならばやし
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葱
ねぎ
季節: 冬(三冬) 分類: 植物(ユリ目) -
新版 角川俳句大歳時記 冬p.661
- こぞことし やみにかなずる みやまがわ
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去年今年
こぞことし
季節: 新年(新年) 分類: 時候(感覚) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 新年p.12
- いんぎんに ことずてたのむ しゅくきかな
-
淑気
しゅくき
季節: 新年(新年) 分類: 天文(天空) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.609
- こしょうがつ せきぜんとして めをつむる
-
小正月
こしょうがつ
季節: 新年(新年) 分類: 人事(行事) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 新年p.19
- ふくなべに みみかたむくる こころかな
-
福沸
ふくわかし
季節: 新年(新年) 分類: 人事(行事) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 新年p.46
- わらんべの おぼるるばかり はつゆかな
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初湯
はつゆ
季節: 新年(新年) 分類: 人事(生活) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.635
- いっかんの ふえにもむすぶ かざりかな
-
飾
かざり
季節: 新年(新年) 分類: 人事(生活) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.621