鷲谷七菜子 (わしたに ななこ)
俳人の説明
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生涯
鷲谷七菜子は1923年、大阪府に生まれた。本名はナナ子。父は楳茂都流の舞踊家で三代目家元の楳茂都陸平、母は元宝塚歌劇団娘役の吉野雪子である。生後7ヶ月で楳茂都流二代目家元の祖父に引き取られ、祖父母によって育てられた。
1940年、夕陽丘高等女学校を卒業した。高女時代より俳句をはじめ、1942年より「馬酔木」に入会し、水原秋桜子に師事した。また1946年には「南風」に入会し、山口草堂にも師事した。
1951年に「馬酔木」同人となり、「南風」編集・発行に参加した。1962年より「南風」婦人投句欄選者を務め、1980年まで続けた。
1977年、第3句集『花寂び』で第2回現代俳句女流賞を受賞した。1983年、第4句集『游影』で第23回俳人協会賞を受賞した。同年、重患の草堂の指名により「南風」主宰を継承した。2004年に「南風」主宰を辞任した。2005年、第7句集『晨鐘』で第39回蛇笏賞を受賞した。2007年、断筆を宣言した。
2018年3月8日、死去した。享年95。
俳句歴
鷲谷七菜子は「馬醉木」から「南風」へと基本的には一筋の道を休詠もなく続けた。自分の作品に希望と失望を繰り返しながら、それが自分の生の証しとなっていたと述懐している。
舞踊の家元に生まれながら、事情あって俳句を一生の仕事と決めた。この点は松本たかしが病弱のために能役者を継がず俳句ひとすじとなった生き方に似ている。気品や洗練された美意識においても通うところが多いと評される。
句作六十年の歳月は美の探求に費やされ、古典的な美意識を独自に昇華させた艶麗かつ静謐な作品世界を築きあげた。作者自身は「沈黙の中に思いをひびかせる俳句という詩型」と述べており、「自分の性格の寡黙さが、この詩型を選ばせた」としている。
その俳句は一途で、求道的で、真摯な姿勢に貫かれており、真面目でひたむきな資質が評価された。初期の俳句から幾年かを経た晩年の作品には、句境の表面から私情が淡くなり、他の流れに紛れぬ自分流の句作を続けた結果として、端整で完璧な句風が確立された。
選考委員からは「静かに澄んだ句境の奥に永遠が感じられる」「陰影というよりも幽玄、絢爛たる沈潜とでもいいたい世界が展開されている」「一字のゆるぎもない作品」と高く評価された。
句集に『黄炎』『銃身』『花寂び』『游影』『天鼓』『一盞』『晨鐘』『鷲谷七菜子全句集』等があり、随筆集に『咲く花散る花』『遥映』等がある。
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- のうぶたい くちておぼろの もののかげ
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朧
おぼろ
季節: 春(三春) 分類: 天文(光) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.36
- かわおとの たかみのなかの つぎきかな
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接木
つぎき
季節: 春(仲春) 分類: 人事(労働) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.76
- はなだねを まきてこころは おきにあり
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花種蒔く
はなだねまく
季節: 春(仲春) 分類: 人事(労働) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.73
- のどふかき ところよりこえ さくらもり
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花守
はなもり
季節: 春(晩春) 分類: 人事(労働) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.85
- こざんまだ ひえをはなさず たねおろし
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種蒔
たねまき
季節: 春(晩春) 分類: 人事(労働) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.72
- ふうしょくの がけさんらんと とりさかる
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鳥交る
とりさかる
季節: 春(三春) 分類: 動物(鳥類) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 春p.133
- くちじりに かみのふれいる あぶらでり
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油照
あぶらでり
季節: 夏(晩夏) 分類: 天文(光) -
平井照敏編 新歳時記 夏p.51
- やまみちに ひのさしている ところてん
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心太
ところてん
季節: 夏(三夏) 分類: 人事(飲食) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.295
- たかしきの はくせんがうつ ひざびょうし
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たかし忌
たかしき
季節: 夏(初夏) 分類: 宗教(忌日) -
平井照敏編 新歳時記 夏p.247
- へびのきぬ ふかれなんとは なくいそぐ
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蛇の衣
へびのきぬ
季節: 夏(仲夏) 分類: 動物(爬虫類) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 夏p.148
- わかたけや くもにちからの みちてきし
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若竹
わかたけ
季節: 夏(仲夏) 分類: 植物(イネ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 夏p.220
- ひかりみな おちへしりぞき みずばしょう
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水芭蕉
みずばしょう
季節: 夏(仲夏) 分類: 植物(オモダカ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 夏p.252
- はつあきや くさをくぐれる みずのおと
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初秋
はつあき
季節: 秋(初秋) 分類: 時候(暦) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.18
- はをあらう あめのおとして ふづきかな
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文月
ふみづき
季節: 秋(初秋) 分類: 時候(暦) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.18
- りっしゅうの くさのするどき みどりかな
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立秋
りっしゅう
季節: 秋(初秋) 分類: 時候(暦) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.19
- くさごもる とりのめとあう はくろかな
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白露
はくろ
季節: 秋(仲秋) 分類: 時候(暦) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.22
- うみふかく みえすぎるひの かんろかな
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寒露
かんろ
季節: 秋(晩秋) 分類: 時候(暦) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.63
- じゅうがつの あかるさふんで こまつばら
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十月
じゅうがつ
季節: 秋(晩秋) 分類: 時候(暦) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.24
- ゆくあきの きゅうりゅうにいる みずのこえ
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行秋
ゆくあき
季節: 秋(晩秋) 分類: 時候(感覚) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.464
- あきばれや まぶたをかるく あわせても
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秋晴
あきばれ
季節: 秋(三秋) 分類: 天文(天空) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.35
- うらぐちに くさきのにおい ぼんのつき
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盆の月
ぼんのつき
季節: 秋(初秋) 分類: 天文(天空) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.39
- しゅうちょうの おんじょうこもる いわやかな
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秋の潮
あきのしお
季節: 秋(三秋) 分類: 地理(水辺) -
新版 角川俳句大歳時記 秋p.165
- くさにある ごぜんのしめり あきのちょう
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秋の蝶
あきのちょう
季節: 秋(三秋) 分類: 動物(昆虫等) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.137
- かんたんや かげさしやすき くさのやま
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邯鄲
かんたん
季節: 秋(初秋) 分類: 動物(昆虫等) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.143
- れもんぬくし いえゆくむねに あそばせて
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檸檬
れもん
季節: 秋(晩秋) 分類: 植物(ムクロジ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.162
- やれはすや ゆうひがくろき みずをさす
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敗荷
やれはす
季節: 秋(晩秋) 分類: 植物(ヤマモガシ目) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 秋p.187
- かんぼのひ つけてあまおと みをはなる
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冬の夕
ふゆのゆう
季節: 冬(三冬) 分類: 時候(時間) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.29
- ふゆのくも なおすてきれぬ こころざし
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冬の雲
ふゆのくも
季節: 冬(三冬) 分類: 天文(天空) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.37
- かれのゆく いってんとなり つくすまで
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枯野
かれの
季節: 冬(三冬) 分類: 地理(山野) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.515
- さんがきょう はればれとある こおりかな
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氷
こおり
季節: 冬(三冬) 分類: 地理(水辺) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.585
- かみぎょうや あめのなかなる しきまつば
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敷松葉
しきまつば
季節: 冬(初冬) 分類: 人事(生活) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.109
- ゆきずりの じゅうしんのつや さつおのめ
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狩
かり
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(労働) -
ハンディ版 入門歳時記 新版p.518
- みずのある ところもやたち ちかまつき
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近松忌
ちかまつき
季節: 冬(晩冬) 分類: 宗教(忌日) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 冬p.159
- はつばれの どこにもひとの みあたらぬ
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初晴
はつばれ
季節: 新年(新年) 分類: 天文(光) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 新年p.21
- しょうがつの たこのひとつの へいげいす
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正月の凧
しょうがつのたこ
季節: 新年(新年) 分類: 人事(娯楽) -
角川ソフィア文庫 第4版増補 俳句歳時記 新年p.60