赤星水竹居 (あかぼし すいちくきょ)
俳人の説明
管理人による説明
生涯
赤星水竹居(あかぼし すいちくきょ)は、明治7年(1874年)1月9日、熊本県八代郡鏡町(現在の八代市鏡町上鏡)の豪農・下山群太の二男として生まれた。本名は陸治(りくじ)。幼少にして熊本藩士・赤星五郞八の養子として赤星家に迎えられた。
東京帝国大学法科大学政治科を卒業後、三菱財閥に入社した。小岩井農場が岩崎家によって直接経営されるようになった際に同農場の場長に抜擢され、1916年まで場長を務めた。当時、小岩井農場は多額の累積赤字を抱え、従業員の待遇は非常に悪かった。水竹居は農場のオーナーであった岩崎久弥の全面的な支持のもと、従業員の給料引き上げ、日用品の安価な提供、借金返済の相談など、数々の待遇改善策を打ち出した。また、農場内の出来事や行事の報告、短歌、俳句、漫画などを収録した『小岩井週報』を発行した。社内報的な出版物を発行して従業員に配布するという発想は、当時としては珍しいものであった。
その後、三菱地所に勤務し、同社の社長・会長を務めた。昭和8年(1933年)に夫人が亡くなると、郷里の鏡町に六角堂という観音堂を建立した。水竹居の養母は熱心な法華宗の信者であり、そのことが水竹居夫妻にも大きな影響を与え、六角堂建立の要因となったといわれている。六角堂の周囲には夫人が好んだ牡丹が植えられていたことから、牡丹観音とも呼ばれている。六角堂の土台には水竹居自らが石に刻みこんだ観音経が囲み、内部には千手観世音菩薩像や五百体の観音像、また水竹居自らが刺繍した観音経や三十六観音などが収められている。
昭和17年(1942年)3月28日、座禅を組んだまま静かにこの世を去った。享年69歳であった。墓所は築地本願寺和田堀廟所にある。
俳句歴
水竹居は多彩な趣味を持ち、剣道、弓道、尺八、俳句などを嗜んだ。いずれも一流の域に達した、才能と努力の人であったといわれている。
俳句については内藤鳴雪、高浜虚子に師事した。虚子との出会いは大正12年(1923年)、東京駅前の三菱地所の丸ノ内ビルの一室に虚子が「ホトトギス」発行所を構えた時であった。当時、水竹居は三菱地所の社長であり、たまたま句誌「ホトトギス」の発行所が丸の内にあったことから虚子との親交が生まれた。
水竹居は虚子との会話の片々を綴った『虚子俳話録』を著している。また、句集として『水竹居句集』がある。水竹居資料館には、正岡子規や高浜虚子との書簡や原稿、水竹居自身の遺品や作品などの資料が保存されており、各方面で優れた才能を持っていたことがうかがえる。
郷里の赤星公園内にある六角堂の隅には二つの句碑があり、一つは高浜虚子の句、もう一つは水竹居の句である。虚子はかねてから水竹居と六角堂への参拝を約束していたが、水竹居の死後に来熊しながらも高齢のため六角堂まで足を運ぶことができなかった。
その他の特記事項
水竹居の生家は息子によって鏡町に寄贈され、現在は赤星公園として残っている。公園内には「六角堂」と「水竹居の館」があり、地域住民の心のよりどころとして広く親しまれている。六角堂は鏡町の指定文化財となっている。
長男の赤星平馬(1906〜1993)は小岩井農牧元社長を務め、その妻は民俗学者・柳田国男の娘・千枝である。
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バイオ
現在、23句の俳句が登録されています。
- わかのうら おもかじとって かすみけり
-
霞
かすみ
季節: 春(三春) 分類: 天文(水) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.148
- しゅんでいや ひくくたれゆく こぢょうちん
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春泥
しゅんでい
季節: 春(三春) 分類: 地理(山野) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.126
- ひるづきの あわしまさまや はりくよう
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針供養
はりくよう
季節: 春(初春) 分類: 宗教(仏教) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.77
- せとものの ひとまろのあり ひとまろき
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人丸忌
ひとまるき
季節: 春(晩春) 分類: 宗教(忌日) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.220
- ほそながき ぎんのかべんや きずいせん
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黄水仙
きずいせん
季節: 春(仲春) 分類: 植物(キジカクシ目) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 春p.203
- ならにきて てんちょうせつや はなあせび
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馬酔木の花
あせびのはな
季節: 春(晩春) 分類: 植物(ツツジ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.225
- はいかいの ねものがたりや よるのあき
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夜の秋
よるのあき
季節: 夏(晩夏) 分類: 時候(時間) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.476
- ふうりんの ならねばさびし なればうし
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風鈴
ふうりん
季節: 夏(三夏) 分類: 人事(生活) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.429
- ろくじゅうにして うまれしいえの かきわかば
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柿若葉
かきわかば
季節: 夏(初夏) 分類: 植物(ツツジ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.271
- じゃりへりて まばらにまつば ぼたんかな
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松葉牡丹
まつばぼたん
季節: 夏(晩夏) 分類: 植物(ナデシコ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.432
- しゃくやくの つぼみのありを はらいけり
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芍薬
しゃくやく
季節: 夏(初夏) 分類: 植物(ユキノシタ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.275
- きょうちくとう くらくなるまで かたりけり
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夾竹桃
きょうちくとう
季節: 夏(仲夏) 分類: 植物(リンドウ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.384
- こうげんの かんこうほてる なつわらび
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夏蕨
なつわらび
季節: 夏(初夏) 分類: 植物(羊歯類) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.273
- かわせみの せきれいおうて あきのかわ
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秋の川
あきのかわ
季節: 秋(三秋) 分類: 地理(水辺) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.588
- ちかしつに もくぎょのおとや しんさいき
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震災記念日
しんさいきねんび
季節: 秋(初秋) 分類: 人事(行事) -
平凡社 俳句歳時記 秋p.157
- あらいたる すずりのせゆく たなごころ
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硯洗
すずりあらい
季節: 秋(初秋) 分類: 人事(行事) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.482
- めになれし もえぎのいろや わかれがや
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蚊帳の別れ
かやのわかれ
季節: 秋(仲秋) 分類: 人事(生活) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.550
- きゅうこうの とまらぬえきや あきまつり
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秋祭
あきまつり
季節: 秋(三秋) 分類: 宗教(神道) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.603
- とうきびの やけておるなり にさんぼん
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玉蜀黍
とうもろこし
季節: 秋(仲秋) 分類: 植物(イネ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.567
- おこしみる おかめかぼちゃの おもてかな
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南瓜
かぼちゃ
季節: 秋(三秋) 分類: 植物(ウリ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.506
- みずひきを しごいてとおる のみちかな
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水引の花
みずひきのはな
季節: 秋(初秋) 分類: 植物(ナデシコ目) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.511
- あきぐさや たたみがえして ひゃっかえん
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秋草
あきくさ
季節: 秋(三秋) 分類: 植物(総称) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.522
- たけうまの にわとりおうて はしりけり
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竹馬
たけうま
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(娯楽) -
虚子編 新歳時記 増訂版p.50