尾崎放哉 (おざき ほうさい)
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生涯
尾崎放哉は1885年1月20日、鳥取県邑美郡吉方町に鳥取地方裁判所の書記官である尾崎信三の次男として生まれた。本名は秀雄。翌年、一家は法美郡立川町へ転居した。
1897年、鳥取県尋常中学校に入学し、1899年頃から俳句を作り始めた。1900年には校友会雑誌『鳥城』に俳句・随想・短歌を発表し、1901年には友人らと『白薔薇』を発行した。1902年3月、鳥取県第一中学校を卒業し、9月に第一高等学校法科に入学した。夏目漱石に英語を習い、漱石に傾倒した。1903年には一高俳句会に参加し、荻原井泉水を知った。
1905年7月、第一高等学校を卒業し、9月に東京帝国大学法科大学に入学した。この頃からホトトギスに投句して入選を果たした。1907年には「放哉」の号を使い始めた。1908年、東京帝国大学法科大学政治学科を卒業後、通信社に入社したが、1910年には東洋生命保険に就職し、契約課に所属した。1911年には坂根馨と結婚した。
東洋生命保険では大阪支店次長を務めるなど出世コースを歩んだが、1921年に退社した。1922年、一高以来の親友である難波誠四郎の紹介で朝鮮火災海上保険株式会社の支配人として京城に赴任したが、飲酒が原因で翌年には免職となり、2か月間の入院生活を経験した。帰国後、妻とも別れ、1923年11月、無所有を信条とする一燈園に住まい、俳句三昧の生活に入った。
その後、寺男となって各地の寺を転々とした。1924年3月に知恩院常称院の寺男となったが1か月ほどで同寺を追われ、6月には須磨寺大師堂の堂守となった。1925年3月に須磨寺を去り、5月には常高寺の寺男となったが、7月には同寺を去った。8月、荻原井泉水の紹介で、小豆島霊場第五十八番札所である西光寺奥の院の南郷庵に入庵した。
1926年4月7日、南郷庵で死去した。死因は癒着性肋膜炎の合併症、湿性咽喉カタルであった。享年41。戒名は大空放哉居士。
俳句歴
尾崎放哉は一高俳句会に属し、東京帝国大学法科大学在学中も『ホトトギス』や『國民新聞』に投句していたが、いずれも定型律で、ほどなく句作からも離れた。東洋生命保険で大阪支店次長を務める頃、一高時代の俳句仲間である荻原井泉水が『層雲』誌上で自由律俳句を提唱し、放哉はこれに強く惹かれた。
1915年12月、最初の句が『層雲』に掲載され、翌年からは層雲社例会にも参加した。一燈園に入ってからは俳句三昧の生活に入り、特に須磨寺での生活から自由律俳句に磨きがかかった。小豆島の南郷庵では海が見える小さな窓から風景を眺めながら、最後の3年間で3000句を詠んだ。
放哉は季語を含まず、五・七・五の定型に縛られない自由律俳句の代表的俳人として、種田山頭火と並び称される。旅を続けて句を詠んだ動の山頭火に対し、放哉の作風は静の中に無常観と諧謔性、そして洒脱味に裏打ちされた俳句を作った。
唯一の句集として、死後に荻原井泉水編『大空』が春秋社より1926年6月に刊行された。句集の出版や俳人として評価を得るのは死後であった。
その他の特記事項
放哉は性格が偏向的であり、自身が東京帝国大学法科大学を出ていながら、他の法学部卒業生を嫌うという矛盾した性格を持っていた。また酒を飲むとよく暴れ、周囲を困らせたという。その気ままな暮らしぶりから「今一休」と称された。
小豆島での評判は極めて悪く、金の無心や酒癖の悪さ、東大出を鼻にかける態度などで周囲から疎まれた。それでも島の素封家で俳人の井上一二と寺の住職らが支援し、近所の主婦が下の世話までして臨終まで看取った。
放哉は海を好み、「海に母の慈愛を感じ、海とそこにある空と雲のうつろいにこそ惹かれる」と手紙に書いている。小豆島の南郷庵は海が見える場所であり、放哉にとって最期の日々に一番必要としていた場所であった。
吉村昭は放哉の伝記的小説『海も暮れきる』を著し、そのタイトルは放哉の句「障子あけて置く海も暮れきる」から取られた。神戸市須磨区の須磨寺大師堂には句碑が建てられている。
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- どっさり はるのおわりの ゆきふり
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雪の果
ゆきのはて
季節: 春(仲春) 分類: 天文(水) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 春p.167
- はるのやまのうしろから けむりがでだした
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春の山
はるのやま
季節: 春(三春) 分類: 地理(山野) -
日本の詩歌 30 俳句集p.110
- いちにちものいわず ちょうのかげさす
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蝶
ちょう
季節: 春(三春) 分類: 動物(昆虫等) -
日本の詩歌 30 俳句集p.106
- つばきさく しまのかざんの ひよりかな
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椿
つばき
季節: 春(三春) 分類: 植物(ツツジ目) -
日本の詩歌 30 俳句集p.106
- ひとかぞく これらをさけし とまやかな
-
コレラ
これら
季節: 夏(三夏) 分類: 人事(健康) -
平凡社 俳句歳時記 夏p.303
- すこしやむ こにきんぎょ こうてやる
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金魚
きんぎょ
季節: 夏(三夏) 分類: 動物(魚類) -
角川ソフィア文庫 第5版増補 俳句歳時記 夏p.163
- ひまわりおおきくまわり ここはまんしゅう
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向日葵
ひまわり
季節: 夏(晩夏) 分類: 植物(キク目) -
日本の詩歌 30 俳句集p.107
- つきのでおそくなり まつのきくすのき
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月
つき
季節: 秋(三秋) 分類: 天文(天空) -
日本の詩歌 30 俳句集p.107
- こんなよいつきを ひとりでみてねる
-
月
つき
季節: 秋(三秋) 分類: 天文(天空) -
日本の詩歌 30 俳句集p.108
- つきよのあしが おれとる
-
夕月夜
ゆうづきよ
季節: 秋(三秋) 分類: 天文(光) -
日本の詩歌 30 俳句集p.110
- かぜにいて しょうじのうちの こはるかな
-
小春
こはる
季節: 冬(初冬) 分類: 時候(暦) -
日本の詩歌 30 俳句集p.106
- あすはがんじつがくる ほとけとわたくし
-
年の夜
としのよ
季節: 冬(仲冬) 分類: 時候(時間) -
日本の詩歌 30 俳句集p.110
- おおゆきとなる うさぎのあかいめだまである
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雪
ゆき
季節: 冬(三冬) 分類: 天文(水) -
日本の詩歌 30 俳句集p.108
- せきをしても ひとり
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咳
せき
季節: 冬(三冬) 分類: 人事(健康) -
文藝春秋 最新俳句歳時記 冬p.206
- ころりとよこになる きょうがおわっている
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.109
- ひとをそしるこころをすて まめのかわむく
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.107
- いれものがない りょうてでうける
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.109
- さびしいぞ ひとりごほんのゆびをひらいてみる
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.108
- あしのうらあらえば しろくなる
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.109
- みずからをののしりつきず あおむけにねる
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.107
- たったひとりになりきって ゆうぞら
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.107
- かべのしんぶんのおんなは いつもないている
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.109
- うちそこねたくぎが くびをまげた
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.108
- はかのうらに まわる
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.110
- そこがぬけたひしゃくで みずをのもうとした
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.108
- ひさしぶりのあめの あまだれのおと
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.109
- よいのさめかけの ほしがでている
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.108
- いぬよ ちぎれるほど おをふってくれる
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.109
- つめきったゆびが じゅっぽんある
- 無季語
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日本の詩歌 30 俳句集p.109